金属3Dプリント

POINT

• アーク溶接を応用したプリントにより大型モックアップを製作

  The brænchの紹介動画

  コンクリートだけでなく金属を材料とする3Dプリンティング技術を、建設分野で活用することを追究。その技術実証として、アーク溶接を応用した金属3Dプリンタ(WAAM：Wire & Arc Additive Manufacturing)を活用し、30個の大小さまざまなピースを組み合わせた屋根付きベンチ型のモックアップ『The brænch』を製作しました。
  直近では鋳造などの代替として多品種少量の部材製造に対応するほか、材種や適用先のさらなる拡大に向け、開発に取り組んでいます。

• スラグの発生しない鋼製部材製造を実現

  

  製造状況

  WAAMによる金属3Dプリンタでは、一般的な鋼製ワイヤーを材料として積層すると、スラグ(溶接部に生じる非金属製のカス)の発生を避けることができず、除去しなければ品質や精度の低下を生じさせる原因となります。
  一方、層ごとに除去する工程を踏むことは手間の増加につながるため、スラグが発生せず、かつ安定した品質と精度で積層できる手法が求められていました。
  これらの課題に対し、材料や溶接のパラメータを厳選することで、鋼製ワイヤーを用いた場合においてもスラグが発生しない溶接を実現しました。
  建設業で最も用いられている材料である「鉄鋼」に対応することで、さまざまなニーズへの高い対応力を持つことができました。

• 異種材料の使い分けによるオール3Dプリント

  

  完成イメージ

  『The brænch』の屋根と座面は、廃棄プラスチックのリサイクルチップをインクとした3Dプリンターにより製造。
  金属部材同士は溶接接合、樹脂部材と金属部材はボルト接合とすることで、複数の接合方法、異なる3Dプリンターによるオール3Dプリントを実証しました。