
バッテリー式の大型電動建機の採用
20t級バッテリー式油圧ショベルを建設現場に国内初導入
POINT
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ゼロカーボン施工の実現をめざして
バッテリー式油圧ショベルの作業状況
当社の建設工事におけるCO2排出量(Scope1+2)の約7割が軽油燃料に由来しています。
ゼロカーボン施工の実現のための一つの手段が、大型電動建機の採用です。
動力源である電気に再生可能エネルギー由来の電力を採用することで、CO2排出量をゼロにすることが可能となります。
しかしながら、バッテリー式の大型電動建機を建設工事で使用するには「バッテリーが1日持たない」「充電に時間がかかる」「毎回充電場所までの移動が必要」「充電に大きな電力が必要」などさまざまな課題があります。
そこで、可搬型バッテリーや発電機を用いて給電や充電に関する各種の取り組みを進めています。 -
可搬型バッテリーによる大型電動建機への給電
可搬型バッテリーによる充電状況
首都圏の建築工事では、バッテリー式の25t移動式クレーンを導入し、その給電や充電に可搬型バッテリーを採用しました。
これにより、建設機械を移動させずに充電できるため、細やかな充電や、必要な作業時間の確保が可能となりました。現場でのバッテリーへの充電時間の自由度が増すため、契約電力への影響も抑えることができます。
充電に再生可能エネルギー由来の電力を使用することで、CO2排出量が従来比で1台当たり約260㎏-CO2/日(約32t-CO2/年)削減可能となりました。
大林組は可搬型バッテリーを配備し、他の拠点で充電して建設工事で使用したり、非常用の電源として利用するなどの運用方法を検討しています。 -
バイオディーゼル燃料専用エンジン発電機による充電
B100燃料専用発電機を用いた充電状況
首都圏の土木工事では、20t級バッテリー式油圧ショベルを導入し、その充電にバイオディーゼル燃料専用エンジン発電機を採用しました。
これにより、充電に必要な電力を確保できない工事や、作業場所の近くに充電器を設置できない現場などでも、100%のバイオ燃料を用いることで、建機稼働時のCO2排出量をゼロにすることが可能となりました。
なお、従来機に比べCO2排出量を1台当り約220㎏-CO2/日(約53t-CO2/年)削減できることを確認しました。
今後、大林組は電力の確保に課題のある建設工事における充電には、発電機の利用を推進していきます。