Chapter 01 SOLUTION
建設プロセスにおける
低炭素技術/取り組み
SOCIAL PROBLEM 運用
- 建築物を使っている時の
消費エネルギーを見える化し、
「生涯CO2」を抑えます。 -
快適な社会生活を送るために、 今や冷暖房やIoT機器は欠かせないものとなり、建築物の使用中に消費されるエネルギーも増えるばかりです。
何もしなければ、その「生涯CO2」は膨大なものになってしまいます。日々どれだけのエネルギーが消費され、抑えるためにはどんなアクションが必要なのか?
まずは、それを知ることが大切です。私たちは見える化を進めることで、建築物をつくる段階だけでなく、使っている間の低炭素化にも取り組んでいます。
改修ゼロエネルギービル
新築の省エネ仕様は当たり前。
今ある建築物を低炭素化するのが、
私たちの挑戦です。

- まずはZEBの資質があるかどうか、
見極めることから始めます。 -
ビル運用中の消費エネルギーの削減が強く求められる中、新築のビルを省エネ仕様に設計することが当たり前の時代になりました。
では、既存のビルに同じ性能を持たせることはできないのか?その問いに必ずしも“YES”とは答えられません。「資質」がないビルは、膨大な改修コストがかかる割に十分な効果が望めないのです。
そこで、まずは可能性を判断できるツールの開発に取り組みました。「見える化」によって多くのビルがハイレベルな省エネ仕様へ生まれ変わると信じて。
ビル内の消費エネルギーは意外と
見えていない。
その「見える化」こそ、
低炭素化の第一歩です。


「見える化」と計画づくりを、 強力にサポート
投資効果の検討をバックアップ
カーボンデザイナー
E-CO BUILDER
大林組のCO2排出量予測システム「カーボンデザイナー」と建築物省エネ化設計ツール「ZEB Ready簡易評価システム」をそれぞれ発展させて連携。建物計画の初期段階でCO2排出量削減効果とコストの増減率を瞬時に比較検証できます。

簡易な試算で短時間・高精度に評価
ZEB Ready簡易評価システム
簡易的な3次元モデルを活用して外皮負荷を試算することで、設備仕様が定まらない設計初期段階において、短時間でのZEB Ready達成可能性を評価。専門知識のない意匠設計者も数十秒で建物形状や方位、窓、庇などの効果を検証できます。

「国内初」の実績とノウハウ。
そのもとでZEB建設に
力を注いでいます。
-
-
大林組技術研究所テクノステーション
-
クボタ新研究開発拠点
©(株) 伸和
-
協和キリン宇部工場管理棟
©Masaya Yoshimura
-
三井不動産ロジスティクスパーク座間
©Kai Kanno / Nacasa & Partners Inc.
-
-
-
GLION ARENA KOBE
-
ヤマハ本社22号館
-
大同生命
広島ビル©ヴィブラフォト 浅田美浩
-
横浜
シンフォ
ステージ©(株)エスエス
-
建物空間の
スマート化
いつも、いつまでも、スマートなビルに。
環境負荷を減らし、
経済合理性も満たせます。

- 建物の環境性能レベルを「可視化」し、
ビルの「高価値化」につなげます。 -
建物の効率的運用をさらに高めたくても、ビルのネットワークやアプリケーションはテナントが導入するという「常識」が壁になっています。ビルの環境データを可視化し、将来にわたって最新のテクノロジーと共にアップデートし続けるには、拡張性に優れた統合ネットワークが重要な役割を果たすと考えています。そこで、ネットワーク構築から環境データのモニタリング、解析、認証取得までを一手に担うサービスを始めました。省エネはもちろん、ビルの価値を高めるイノベーションと言えるでしょう。
もっと使いやすく、
ずっと快適な空間へ。
IoTで、人の行動に合わせた
環境をつくります。
建物をいつまでもスマートに維持
スマートビルディングサービス
大林組と日立ソリューションズは、スマートビルサービスプロバイダー、オプライゾンを共同設立しました。建物実装のノウハウとITサービスのノウハウを併せ持ち、スマートビルをいつまでもスマートに維持し続けるサービスを提供します。

ESGビル経営のサイクルを実現
マネージドESG
サービス
建物環境の「ESG目標」→「データ モニタリング」→「可視化・分析・評価」→「アクション」のサイクルを回し、省エネルギーの実現、建物評価認証の取得など、ステークホルダーにとっての建物の価値向上に寄与します。

オプライゾンがマネジメントする
次世代型スマートビルが、
次々と誕生しています。
大規模オフィス環境にNaaSを導入
日立ソリューションズタワー
新しいネットワーク環境への移行プロジェクトの際には、業務中のダウンタイムをゼロとし、エンドユーザーの負荷を最小限とすることで、スムーズでシームレスな切り替えを実現しました。


築40年のビルに複数サービスを導入
オーク堺筋本町ビル
ビルテナントが「すぐに」「安全に」「簡単に」利用できるオフィスネットワーク基盤をビル統合ネットワークとして導入。さらに、スマートロックと連動した会議室予約システムの導入、AIセンシングによる空気環境快適化を実現しました。


建物環境データを可視化し「OprizonオープンBMS」を導入
Port Plus 大林組
横浜研修所
建物環境評価システム「Arc」とAPI連携することで、建物環境データを自動で収集し、CO2排出量の分析レポートを自動で作成する機能を日本で初めて建物に実装しました。


将来の拡張利用に対応した統合ネットワークを導入
横浜シンフォステージ
テナント向け業務系ネットワークと建物設備系ネットワーク(デジタルサイネージ等)に併用できるビルのバックボーン(統合ネットワーク)として、マネージドNetworkサービス(NaaS)を導入しました。

©(株)エスエス

©(株)エスエス
SOCIAL PROBLEM 改修
- 長い目でみても、
工事中も、環境にやさしい
インフラの改修を行っています。 -
改修工事でも、現場ではたくさんの人や機械が働き、車両が出入りするので、CO2は排出されます。ただし、改修することで構築物を長寿命化し、長い目でみたトータルのCO2排出量を抑えられるので 必要な取り組みと言えます。
その一方で、道路工事につきものの交通渋滞は、アイドリングの増加や迂回につながり、改修そのものとは別の燃料消費やCO2の発生につながります。
私たちは、そんな課題にもまっすぐ向き合っています。
インフラ
リニューアル
交通渋滞を起こさない。
それも道路の改修では、
大切な環境対策です。

- 「止めない技術」を集めることで、
脱炭素にも貢献する改修工事を実現しました。 -
高速道路のリニューアル工事で行える脱炭素貢献とは何か?
素早く完了し、施工中のCO2を削減させるという選択もあるでしょう。ただし道路工事の場合、CO2排出量を増やしてしまう「交通渋滞」というもう一つの大きな課題があります。私たちはそこに着目しました。渋滞の軽減に目を付けた要素技術を開発し、それらを統合して高速道路のリニューアル工事に適用。全国でクルマの流れを止めることなく工事を進めることに目下取り組み続けています。
クルマの流れも工事もスムーズに。
そんな高速道路のリニューアルを
日本全国で行っています。

リニューアル工事中の交通渋滞 解消に向けた大林組の技術
-
DAYFREE
交通量の少ない夜間に1車線だけを規制し、床版を取り替える新しい工法。限られた時間・空間での作業を可能とするための専用機械・床版接合方法・仮設床版システムを駆使して、昼間の交通開放を実現します。
DAYFREEを可能にした技術
-
HOLLOWAL
幅員方向分割施工に対応したプレキャストセグメントによる新しい架け替え工法。事前に工場製作された部材を現地で組み立てるだけなので、天候の影響を受けずに急速施工が可能。規制期間を従来工法の半分に縮減できます。
-
PCワイダー
PCa部材を活用しPC鋼材の配置を工夫することで、桁高の低い橋梁でも既設橋と同じ桁高での拡幅構造を実現。上部工拡幅部のコンクリートやPC鋼材の施工数量を低減でき、また交通規制期間を従来工法の1/3に短縮可能です。
-
コンパクトインバート
インバートの曲率は変えずに部材を高強度のRC構造として薄肉化し、付帯設備を回避した浅い位置に設置する新たなインバート構造です。覆工受け部分共にプレキャストとし、インバートと覆工の接続を省力化します。
-
ワンバインドクロス
シート1層で施工完了できるため、作業工程が短縮。大判シート(幅1m)によりシート貼付けの作業効率も向上します。また、特殊な製法の炭素繊維シートにより、1層で従来2層と同等の強度を確保。層間の剥離が生じません。
-
スティフクリート
施工後3時間で必要な強度を発現し早期の交通開放が可能です。超高強度・高耐久のため、老朽化したコンクリート床版の長寿命化を実現します。専用の車載型プラントを使用し、1車線規制内での施工にも対応できます。