
建築分野での3Dプリント
自由なデザインの着想を、そのままカタチに
POINT
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オール3Dプリントによる建築物を実現
3dpodの紹介動画
大林組技術研究所の3Dプリンター実証棟「3dpod」は、3Dプリントした型枠にスリムクリートを充てんする独自の構造形式で建設。セメント系材料を用いた3Dプリンターによる建築物として、国内初の建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を取得しました。
壁や床などの地上構造物のすべての部材に3Dプリンターを用い、さらに壁はすべて現地で直接プリントしました。
「pod」は、蚕の「繭」、豆の「さや」といった意味。壁や天井など建物の平面形状がピーナッツの「さや」のような形をしていることや、建屋の外観が有機的な球状の「繭」のような形をしていることが名前の由来となっています。 -
美しい流線型の外構ベンチを製作
完成写真
横浜みなとみらい21地区の大規模複合施設・横浜シンフォステージ。その芝生広場「ゲートプラザ」にある外構ベンチは、3Dプリントで製作されたものです。
多様な人々がさまざまな形で座れる流線型のベンチは、優雅に泳ぐ鯨の動き(もぐる、まわる、上を向く、横を向く、直進する)をモチーフにし、ヒューマンスケールの曲線で構成されています。
ベンチは5基あり、その全長は約3.5~7.3mです。各ベンチは、3Dプリンターで製作したプレキャスト部材を現地で複数並べて施工しました。 -
独自工法で複雑な形状も再現
完成写真
奈良県生駒市と大阪府東大阪市にまたがる生駒山の山上にある生駒山上遊園地に、樹木をモチーフとしたチケット売場が誕生。3Dプリントした型枠の内部にスリムクリートを充てんする独自工法により、複雑な自由形状を実現しました。
チケット売場は高さ2.7m、横幅2.5m、奥行き2.5mで、工場で製作して現地に設置しました。外殻部は、5つの部材に分けてプリントし、下部の部材から順に組み立てながら内部にスリムクリートを充てんしています。プリントの厚さやノズル角度を任意に制御することで湾曲部材を製造し、従来よりもさらに複雑な自由形状を実現しました。