
AIを活用した図面の照合システム
LRV工法の構造上重要な箇所を自動でチェック
POINT
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図面の作図ミスによるコストと工程のロスを解消
システムの概要
図面のチェック業務は膨大な時間を費やすうえ、チェック漏れがあった場合は部材の再製作が必要になるなど、コストアップと工程遅延による甚大な損失が発生します。そこで、まずはLRV工法のPCa部材を対象に、構造図の掲載範囲を自動でチェックするシステムを開発しました。
図面のデータ形式は、DWG(dxf)形式とPDF形式を対象にしています。
システムはWebアプリになっており、ネットワーク環境とユーザー名、パスワードがあればどこでも使用可能です。
チェック結果については、図面枠外に記載したチェック一覧で確認することができ、該当箇所の色も変えているので、簡単に詳細を確認できます。図面1枚に対し、5秒程度でチェックが可能です。 -
AIによりチェック項目を抽出
AIを活用したチェックのフロー
下記の手順にてチェック項目を抽出します。
①図面分割AI
作図されている図面の種類(形状図、配筋図)や部材名(柱、梁、仕口)、切断面(平断面図、立面図)を特定し抽出。
②チェック項目抽出AI(生成AIによる情報抽出、属性情報推定AIによる情報抽出)
抽出した図面からチェック項目(主筋やせん断補強筋の本数、ピッチ、かぶり厚さなど)を抽出。現在2種類のAIを試作しており、将来、精度の高い方を採用する計画です。
②-1:生成AIによる情報抽出
画像、ベクタデータ、プロンプトを入力すると、生成AIが記載された寸法をもとにチェック項目を抽出。
②-2:属性情報推定AI
画像を入力すると円や線の属性(主筋の円、継手の円など)を推定し、チェック項目を抽出。 -
抽出したチェック項目を照合
チェック項目の抽出の様子
あらかじめデータベース化した構造図(断面リスト、柱梁芯案内図、軸組図、特記仕様書など)の情報とAIにより抽出したチェック項目を照合し、正誤判定を行います。