Chapter 01 SOLUTION
建設プロセスにおける
低炭素技術/取り組み
SOCIAL PROBLEM 解体
- 解体で
終わりにすることなく、
リユース・リサイクルで
未来をつくります -
建築物や構造物を解体すると、大量の廃棄物が発生します。
さらに新しいものをつくるには改めて建設資材が必要となり、その製造時にはやはり、CO2が発生することになります。
もしも、部材や躯体を、古着のようにリユースしたり、
ペットボトルみたいにリサイクルできたら、脱炭素に貢献できるのでは?私たちはそう考えて、解体後のことを見据えた取り組みを積極的に行っています。
部材・
躯体リユース
どこまで部材をリユースできるか?
サーキュラーエコノミー実現が
私たちの使命です。

- ワクワクするような「再生」が
新しい世の中をつくり出します。 -
できるだけ多くの部材や躯体を活かすことも大切ですが、新たな命を与えられた建築物がより魅力的なものになれば、リユース・リサイクルの取り組みはより加速するのではないでしょうか。それが解体によって発生する部材や躯体の価値を最大化し、本当の意味でのサーキュラーエコノミーの実現につながると考えています。「そのまま使う」と「構成し直す」という合わせ技で、解体による廃棄物やCO2の発生を抑えつつ、誰も挑んだことのないリユース・リサイクルの道を拓いていきます。
建設資材をできるだけ循環利用する。
その仕組みやサステナブルな技術を
どんどん採り入れています。
部材リユース
国内初、構造部材を新築にリユース
大林組技術研究所 OL3
現在、建設を進める大林組技術研究所の新たな研究施設です。通常はリサイクルされる鉄骨やコンクリート製の構造部材を、新築建築物の構造体にリユース。一度使われた建材を活用し、全く異なる建築物として新たな命を吹き込む前代未聞の試みです。持続可能性を体現する施設として、省エネやリユース、リサイクル技術を駆使し、省資源、CO2削減を推進します。

大林組技術研究所内にて
工事進行中!

CO2排出量は
完全な新材使用の半分
解体建物のリユース材を活用することにより、構造部材製造に伴うCO2排出量は、新たに全ての資材を調達する場合に比べ約49%の削減が見込まれます。また、リサイクル材(再生材)を使用した場合に比べても、部材製造時におけるCO2排出量を大幅に抑えることができます。

資源循環データプラットフォーム「Upcyclea」の活用
大林組は、建設資材の環境性能や建設解体資材のリユース可能性*を可視化するデータプラットフォーム「Upcyclea」を活用。解体現場で生じるリユース可能な資材の供給情報と新築工事現場の需要情報をマッチさせるAI機能などを活用します。
*リユース可能性 : 建設資材が、品質的・機能的に他の建設物でリユースできる状態であり、リユースによる環境負荷等削減効果があること

既存建築物の部材や
躯体を最大限に活用


躯体リユース
既存躯体再使用で、
ストック型社会に貢献
五反田JPビルディング
旧「ゆうぽうと」の既存地下躯体を最大限本設再使用しながら事業価値の最大化を図り、ストック型社会への新たな手法の確立と、街の新たな拠点となるアップサイクル建築の実現をめざしました。既存躯体再使用と低炭素資材併用によりアップフロントカーボン15%削減(11,408t-CO2e削減)を達成。


上部構造物重量は既存より増加するため、地下躯体には耐震壁を多数設けて重量増加に耐えられるよう工夫。耐震壁は、柱・梁の補強や新設の柱を既存柱の偏心による応力伝達にも利用。躯体リユースに留まらず、駐車場として新たな機能に更新しました。